鑑定士入門「宝石編」 真珠

「宝石の女王」といわれるにふさわしい清楚な美しさをもち、数ある宝石の中で、冠婚葬祭のいずれのときも身につけることを許された唯一の宝石、それが真珠です。

  1. 真珠の品質
  2. 真珠の取扱い方法
  3. 真珠の種類

size(サイズ)

品質が同じであれば粒の大きい物が価格も価値も高くなります。
アイテムや用途、予算に合わせてサイズを決めましょう。
母貝(真珠を育てる貝)の大きさで出来る真珠の大きさがほとんど決定します。
大きな母貝を育てる事が困難なため大粒の真珠ほど稀少性が増します。

shape(形状)

真珠の3箇所(上下・左右・天地)で測定して最小直径と最大直径の誤差で4つに分類されます。

ラウンド・・・・誤差が2%未満のもの。(例)7.0mm~7.13mmまで

セミラウンド・・誤差が2%以上5%未満(例)7.0mm~7.35mmまで

セミバロック・・誤差が5%以上12%未満(例)7.0mm~7.83mmまで

バロック・・・・誤差が12%以上をすべて

※巻きが厚く真円になる可能性は

巻きが厚い 巻きが薄い
巻きが厚くなるとどうしてもセミラウンド、セミバロックになりやすいく真円になる確立は10%以下となります。 巻きが薄いものほど核が真円であればそのまま真円となる確立が高くなります。

spot(キズ)

真珠の凸凹が真珠全体の50%以上が一括して変形した状態は形状変化とし、それ以下の状態の凸嘯ヘキズとします。
キズは繊細な真珠の輝きを阻害してしまいます。
キズの判定で大きな要素はキズの大きさ、すなわち範囲の広さです。キズが一部に有っても他の部分が美しい玉
ならキズを隠してジュエリーに出来ます。しかしキズが点在していると、どこかのキズが見えてしまいまい、ジュエリーとしての輝きをそこないます。

判定する為の基本条件として

  1. キズを判定者の視力が1.2以上(両眼)の状態であること
  2. 真珠からの距離は20cm以内で判定する
  3. 直射日光でない自然光(5月の午後2時の北窓の開せつ光が一番いいとされている。)
    または色温度6774Kの電球の光で見ること
  4. 360度全て回転して判定する

キズの種類

  • えくぼの様な凹みのキズ(えくぼキズ)
  • 魚のうろこの様なキズ(うろこキズ)
  • 一部だけ突起してるキズ(にきびキズ)
  • 押されて平らになった様なキズ(平らキズ)
  • 帯状に凹んでいるキズ(窪みキズ)
  • 凹みや凸状の輪のキズ(サークルキズ)※その他にも丘状キズ・シミ・しわ状キズなどがあります。

shine(輝き)

遠くからでも美しさを強調するために必要な要素です。
真珠は丸くただ一点だけの反射光線の強さを測定して照りがあるとする訳にはいきません。
そのうえセミラウンドだったり、表面にキズがあったりといった真珠全体のイメージでも輝きの感じ方は異なってきます。
輝きの奥行きとは真珠層の多さとそのきめの細かさからくるものです。

*下記の図で説明しますと真珠層の巻きが多ければ多いほど各層からの反射がふえ「輝き」は増します。

上の図では真珠層が整然と並んでるので素直光が反射しますが、もしこれがガタガタの状態で並んでいたとしたら、
乱反射してしまうのできれいに輝きません。

coating(巻き)

真珠層の巻きの厚さが、厚くなる要因は

1.母貝が健康であること

2.海の温度やプランクトンの量等が適していること

3.挿核手術(貝に核を入れる作業)がうまいこと

4.巻きを阻害する海草などを排除し手入れが良いこと

5.1~4の条件のもと長い時間をかけてく養殖すること

color(色)

真珠の色は多種多様であり、色は個々の好みがあり単純に色だけでの品質評価は出来ません。一般的には特殊な場合を除きピンク及びブルーがかった虹色の干渉色を持ったものが高く評価され、黄色味が帯びるほど比較的低く評価されています。

4S+2Cで真珠の品質の見極めかたがわかって頂けたところで真珠のエンハンスメントとトリートメントについて知っておきましょう。

エンハンスメント(改良)

真珠のエンハンスメントとは、真珠自体が持っている本来の美しさを引き出す目的で使われる人工的手段のことです。主に調色(シミ抜き・弱染色)の事を指します。もともと真珠自体の質が良くない限り、色や外観の改良は見られない為トリートメントとは差別します。
ほとんどの真珠にこのエンハンスメントされています。

トリートメント(改変)

真珠のトリートメントとは、真珠が有する本来の性質とは関係なく科学的或いは物質的方法により人工的に色を改変する事を指します。放射線やブルー着色剤などで変色させたりする事をいいます。

真珠はタンパク質であるコンキオリンと炭酸カルシウムが結晶したアラゴナイト結晶という物質で出来ています。

人の肌と同じと考えて頂ければ、取扱い・手入れ方法も自然と理解されやすいと思います。

  1. 太陽光に含まれる紫外線人と同じように真珠も日焼けします。一度黄ばんでしまうと簡単には元には戻りません。使用後は暗室保管をおすすめします。
  2. 汗手のあぶらや汗は酸性です。タンパク質であるコンキオリンは酸性に強いため、多少酸に弱いアラゴナイト結晶をガードしますが長く付着しつづけると少しずつ溶け小さな穴ができてきます。顕微鏡レベルでわかるようになるため、光の散乱のもととなり光沢が落ちてしまいます。使用後はパールクリーンで良く拭き保管する事を心掛けてください。
  3. 硬度硬度は2.5~4.5とあまり強くありません。保管の際は他の宝石と触合わないように仕切りのついたボックスを使ってください。
  4. 熱(乾燥)真珠層と核の間から乾燥が始まり、ひび割れやコンキオリンの硬質化が進み光沢を落としてしまいます。みずみずしい肌が美しいのと同じで真珠もみずみずしさが大切です。特にブルー玉
    は青色色素が水分の散失によって退色してしまったり、淡水真珠は一般
    的に熱や乾燥に退色しやすいと言われています。
  5. 糸替え真珠のネックレスに絹糸を使うのは汗や湿気を吸収しやすい性質があるからで、真珠がダメージを受けるのを防いでくれます。但し糸が伸びたり弱くなったりすると切れる可能性もあるので年に一度糸替えをお勧めします。

硬度 3.5

比重 2.71~2.75

屈折率 有機質の為測定せず

洋名 acoya pearl(アコヤパール)

色 ホワイト系・ピンク系

シルバー系・クリーム系など

主産地 三重県(伊勢)、愛媛県(宇和島)、長崎県など

備考 6月の誕生石

和玉では直径が10mm程度が最大級となります。日本の真珠は南洋パールと比べ四季の変化を感じて育つため輝きは素晴らしいものになります。冠婚葬祭のアイテムとしてだけではなく、さりげなく清楚につけこなすことが出来るジュエリーとしての購入をお勧めします。

硬度 3.5

比重 2.71~2.75

屈折率 有機質の為測定せず

洋名 southsea pearl(サウシーパール)

色 ホワイト系・ピンク系・グレー系・ ブラック系・ゴールデン系など

主産地 オーストラリア、インドネシア、マレーシア、パナマ、タヒチ、フィリピンなど

備考 6月の誕生石

母貝の中で丸2年、核が真珠層を厚く巻き、深みのある艶を出しています。通
常は10mm~16mm稀にそれ以上の大きさが採れることがあります。大きさや真円さを求めるあまりパールが持つ本来の魅力、形、サイズの豊かさに目を向けられる事が少なかったのですが近年バロック珠のような形のユニークさを生かすジュエリーも目立ちます。

硬度 3.5

比重 2.85

屈折率 有機質の為測定せず

洋名 conch pearl(コンクパール)

色 ピンク、イエロー、クリーム オレンジ、ホワイトetc

主産地 西インド諸島

備考 6月の誕生石

知名度的にはまだまだ過渡期にあるコンクパール。すべてが天然であり入手が困難で宝石店の店頭ではなかなか見る事が出来ない現状でもありますが、他のパールとは一線を引く稀少性を楽しめます。

色のバラエティーも豊富ですが、深みのあるピンクで表面に火災模様のあるものが最上級とされています。鑑別書ではパールは通常mm表示で重量を表示しますが、コンクパ-ルはctで重量表示が行われてます。

硬度 3.5

比重 2.71~2.75

屈折率 有機質の為測定せず

洋名 freshwater pearl(フレッシュウォーターパール)

色 ホワイト系・ピンク系

クリーム系etc

主産地 中国、日本

備考 6月の誕生石

淡水産の2枚貝イケチョウ貝から採れるパールで淡水パールと呼ばれています。「池に住む蝶貝」の名にふさわしいレインボーカラーが美しい光沢を産み出しています。核入れをしない為、形のバラエティーは無限です。

一つ一つの個性を尊重しジュエリーに活かせば思った以上の必須アイテムになるでしょう。

硬度 3.5

比重 2.71~2.75

屈折率 有機質の為測定せず

洋名 mabe pearl(マベパール)

色 ピンク系

シルバー系

主産地 マレーシア、香港、カンボジア、スリランカなど

備考 6月の誕生石

半径であるため大ぶりの真珠を使っても軽く落ち着きのいいマベパール。特徴的なフォルムを活かしたイヤリングやピアスは使いやすい一品として人気です。マベパールは貝に核を移植してつくられるのではなく貝殻と外套膜の間に半珠状の核を挿入しつくられるため、このような半円になります。


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