鑑定士入門「宝石編」 地金・加工・他

2019.06.18

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  • 地金の種類 ゴールド・プラチナ・シルバージュエリー制作にかかせない貴金属 まずここからスタート! !
  • パーツの種類  クラスプって何? ベネチアンチェーンってどんなの? コンバーネブルネックレスって何?
  • 製造工程 なにげなくしてるこのリング。どうやってできているんだろう?のぞいて見よう! !
  • 石留めの名称 細かい部分だけどとっても大切。いろいろ工夫がされています。
  • 修理・リフォーム 知っていれば必ず役に立つ! ! ! 大切なジュエリーの為に知っておこう。
  • リングサイズ サイズ10番と13番どこがどれだけ違うんだろう?

地金の種類

GOLD(化学組成 Au)

時を経ても錆びる事も輝きが鈍る事も無い為、金そのものが通貨とされてきた歴史もある ほど貴重で高価な貴金属です。ジュエリーにも欠かせません。 ジュエリーとしての金には必ず品位 検定マークが入っています。例えばK18と刻印されて いるリングは金地金のうち純金が重さでどれくらい入っているかを表したものです。 100%の純金を24金といい、業界では「やき」と呼びます。K18だと18/24なので75%。そのリングには75%の純金が入っていると言えます。残りの25%は他の金属が入っているのです。 この残りの金属を割金といい大抵は銀と銅などです。どうして純金を使わず割金を入れて しまうのでしょうか?その理由は大きく2つあります。

純金はやわらかすぎてキズがつき易いという使用上の問題があります。例えば宝石を留める爪が純金だと服に引っかかった時など爪が曲がってしまいます。一般 的に金属は純粋なものはやわらかく他の金属を混ぜると硬くなります。

割金の割り合いを変えたり他の金属を入れる事より、ピンクゴールドやホワイトゴールドなど地金のバリエーションを増やす事が出来る為です。

主産地は南アフリカのトランバール州、カナダのカークランド・レイクなどが有名です。 日本にも金を産出する山はいくつかあります。世界のあちらこちらで採れる金ですが 採れる量はごくわずかです。 K24などのKはKaratカラット(品位 )の意味です。金のkinのKではありません。金には山金と砂金の2種類があります。理由はわかってはいないが砂金のほうが 純粋な金が採れるのそうです。

PLATINA(化学組成 Pt)

1751年イギリスの科学者により報告され人々に親しまれるようになったプラチナ。 比較的新しく発見された鉱物と言えます。比重(ある物質の重さと同体積の水の重さとの比)は地球上の物質で2番目に重いのです。産出量 は過去すべてを計算しても約2500t。金の約50分の1です。1tの鉱石から採れるプラチナは約3gと微量 の為、1gあたりの価格も金より高額になります。
1898年カルティエ3代目当主ルイ・カルティエがプラチナを本格的に使い出し始めました。プラチナは白い輝きが永遠に変わらない事。銀よりはるかに細かい細工ができる事で爪を小さく目立ちにくくし宝石の輝きを十分に発揮できる等の理由でジュエリーの世界に大きく進出してきました。
現在、大蔵省造幣局がプラチナの品位を4つに定めています。純度が高いほど輝きがよいためPt850(1gに割金0.15g)以下の品位 はプラチナジュエリーとしては扱いません。近年ではPt1000つまり純プラチナで有りながら、柔らかさが難点だった従来のPt1000より硬く造る技術が発達し市場に出回るようにもなってきました。

SILVER(化学組成 Ag)

欧米では昔から銀器の歴史があり、銀は貴金属であるという事は確立していたのですが、 日本ではそういう歴史を持ち合わせてないせいか銀はアクセサリーとして扱われてきました。ジュエリーとして扱われない最大の理由は単価が安い事、銀が変色する事でした。 銀が黒く変色したり光沢を失っていく原理は、銀が空気中の硫化水素や水分中のオゾンや二酸化硫黄と反応して表面 に硫化銀ができてしまう為です。 表面変化を嫌ってシルバーアクセサリーにはロジウムという金属のメッキがかけられている事が多いです。品位 はプラチナと同じく1000分比で表されています。 一般的には925と刻印されているものが多く、その際の割金にはたいてい銅が使われています。

主産地はノルウェー、モロッコ メキシコ、中南米などが有名です。 表面変色はシルバー用のメンテナンス用品があるので、こまめにクリーニングをすることをおすすめします。

パーツの種類

よく宝石店の店員さんの使っている言葉でよく理解出来ない事も多いと思いますが それぞれのジュエリーのパーツ(部品)の一般的な呼び名を一部ですが紹介しましょう。

ネックレス・ブレスの種類 ※他にも沢山種類があります。

それぞれのチェーンの太さに合わせて金具の大きさも合わせます。
K18で写真を撮りましたがPt850も同じタイプがあります。

※コンバーチブルネックレスとはネックレスとブレスを同じ留め金具で繋げることにより ロングネックレスとしても使えるタイプのネックレスです。留め金具が目立たないような工夫がされています。  

イヤリング・ピアスの種類 ※他にも沢山種類があります。

製造工程

市場に出回っているジュエリーの製造方法は色々あります。ここでは種類別 に紹介しましょう。

手造り(職人が地金を鍛錬し1から造りあげる製造方法)

●中座・中石を支える枠
●周りのメレを支える枠
●腕・リングの円の部分
をそれぞれ造り、ロー付けで 組み立てて1つの空枠を造りあげます。 腕のいい職人が造る手造りのジュエリーは 使い心地が良く満足感のある仕上がりになります。

ロストワックス(石膏に埋め込まれたワックスを溶かして地金を注入し型を取る方法)

キャスト ※上記の2つの方法では同じデザインで何千個、何万個といった大量 生産の場合大変な時間と労力がかかる為、キャスト(鋳造)という方法をとります。

鋳造でもプラチナとゴールドのコンビの製品は分けて造り、後で加工して1つの製品にします。
 
複雑な製品は原型をいくつにも分けて造り、数度のわたり鋳造し加工して出来あがります。市場で見かけるジュエリーの多くのほとんどがこのキャストで造られています。

この他にもプレスや光造形システムによる製作などがあります。
通常このように出来あがった空枠には石留めの職人が1つ1つ石を留めて製品になります。
その後検品で専門的な細かなチェックがなされ店頭に並ぶのです。

石留めの名称

石留めの型がジュエリーのスタイルの善し悪しを決定する。と言っても過言ではありません。金属の爪で宝石をしっかりセッティングしてジュエリーにします。
爪の役割は宝石を捕まえるだけでなく、宝石を保護する役割も持っています。

爪留め(プロングセッティング)

本来ダイアモンドの輝きを最大限に活かそうと思えば裸石のままが一番ですが、ジュエリーとして利用するには石を留める事が必須となります。そこでティファニー社が考えだした最良の方法がなるべくダイアモンドを裸石に近い状態で使用できる6本爪の立爪(ティファニータイプ)でした。しかし日本人はどこをどう間違えたのかダイアモンドを大きく見せるためにか大きな爪を使い背を高く見せるタイプを長い期間愛用していました。近年日本人のセンスの向上により本来のティファニー社の意向に沿った小さな爪の背の低いタイプが定着しつつあります。

パヴェセッティング

フランス語で石畳と言う意味です。敷石のように詰まった留め方から由来しています。 地金に穴を開けそこに石をはめ込み周囲から爪を起こして留めます。 爪留め以上に熟練した職人を要し、ほとんどラウンドブリリアントカットのメレ(0.1ct以下の総称)に使われます。

ふくりん留め(ベゼルセッティング)

宝石を地金の輪で覆って留める方法。爪がないので引っかかる 事もなくデザイン的にもシンプルに仕上がります。

レール留め(チャンネルセッティング)

宝石を地金の輪で覆って留める方法。爪がないので引っかかる事もなくデザイン的にもシンプルに仕上がります。

はさみ留め

爪を使わずリングの地金に溝を造りそこに石を挟み留めます。

芯留め

真珠など球状の石に片孔の開け芯に接着剤をつけて留めます。
接着剤が弱い物では長い期間で緩んでくる事もあるようです。

五光留め

メンズリングのダイアモンドによく使われる留め方です。ダイアモンドを埋め込み留める際に周りを光状に彫って輝きの効果 を高めた留め方です。

インビジブル・セッティング

石に裏側に細く切り込みを入れ、その間に地金の線を通し固定させる留め方です。 特殊な技術が必要な為修理は購入されたお店でされることをおすすめします。

他にも色々な方法があります。お持ちのジュエリーを今までと違う目でごらんになって見て下さい。職人により一つ一つ丁寧に留められている事が実感できます。

修理・リフォーム

大切なジュエリーの修理やリフォーム。知っているだけでジュエリーの使用価値を高める事が出来ます。ジュエリーの寿命はあなた次第です。

[ 修理 ]

サイズ直し

石付きのリングは大幅に大きくしたり小さくするとデザインによっては石が留まらなくなったりする事がありますが、前後3サイズくらいはほとんど可能です。現物を見てから希望サイズにお直しが可能か判断をいたします。

<サイズ直し不可能>

石が一周入っているエタニティータイプのリング海外で買ってこられたリングで品位刻印と偽りがありそうな製品

サイズ直しはどのように行われているのかご説明いたします。
まず宝石店に行きリングゲージでサイズを決めます。
幅広のリングは半サイズくらい大きめにしておいたほうがいいでしょう。
宝石店から職人のいる加工場にもっていきます。

(例)Pt900リングを10番から13番にする。

3番大きくする為に3mm弱のPt900の 地金を用意します。
通常リングの一番下の地金を切断します。 切断部分を広げて3mm弱の地金を差込みます。
差込んだ左右にPtロウを置き、バーナーで加熱しロー付けします。(この時バーナーの熱が宝石に及ばないように宝石部分を水につけたり断熱材を使ったりします。)
地金の段差と余分なロウをヤスリで削ります。
サイズ棒に入れて木づちで軽くたたきリングを真円 にします。
バフ(磨き機)にかけて鏡面仕上げをし完成です。
逆にサイズを小さくする場合は3mm弱地金をカットし 切断面をロー付けします。(なぜ3mm弱なのかは リングサイズをご参照下さい。)

新品仕上げ・変形直し

長い間身につけていると傷がつき、またリングの形が歪んでいたりし、本来のジュエリーの輝きが失われます。 小傷をとり新品同様にする新品仕上げはほとんどのジュエリー可能です。変形直しは中空のジュエリーなど一部不可能なものもあります。

ロー付け

ネックレスが切れてしまった。ペンダントの金具が外れた。リングにヒビが入ってる。ほとんどロー付けで修理可能ですがロー付け箇所近くに石がある場合、石をはずしてから加工しないといけない場合などがございます。

石留め

たった1ピースの石がはずれてしまっただけで身に付けられないもの。石と爪があれば石留めだけでほとんど修理可能です。石を失われている場合でもこちらで無くされた石に一番近いものを可能な限りご用意いたしますのでご安心下さい。 爪が折れてなくなってしまってる場合は爪を立て直し留めれば安全でしょう。 また石が動いてカチカチ音がなる場合も早めに石留めをし、宝石にキズができるのを防ぎましょう。

長さ調整

地金ネックレスなどの長さ調整は短くする分にはほとんど可能ですが、長くする場合は足し分のチェーンをご用意可能なものと不可能なものがあります。 パールや天然石のネックレスの長さ足しも同様です。

金具不良

留め金具がしっかり留まらないと心配です。パーツの種類でも紹介しきれないほど様々な金具があり、交換もほとんど可能です。

[ リフォーム ]

リフォームは自分の思い通りのデザインを選ぶ事ができるのでジュエリーに今以上の愛着がうまれるでしょう。

イージーオーダー

半製品の空枠を利用するものです。写真のようにまわりのダイモンドはすでに留まっているものが多く、中石を留める部分のサイズも色々あります。アイテム別 の空枠カタログでデザインや地金を決定します。リングの場合はサイズをきっちり指定しましょう。見積もりも出してもらうといいでしょう。

フルオーダー

イージーオーダーではいまいち思い通りのデザインが見つからない方や、持ちこみの宝石が特殊なカットや形状の場合や、手作りを希望されている方にお薦めです。 漠然とイメージされているデザインをデザイナーとの打ち合わせで形にしていきます。イメージが上手く伝えられない方には、手助けとして一番イメージに近いジュエリーの雑誌等の切りぬ きなどをご持参していただければスムーズに打ち合わせが進みます。

リングサイズ

通常市販(量産)されているリングのほとんどは12番前後でピンキーリング(小指用)は6番前後で造られています。表にあるようにそれぞれの国でサイズの表示方法が違います。日本では数字の前に#マークをつけます。 #10から#13のサイズ直しの場合3mm弱の地金を差込む理由(修理・リフォーム参照)はこの円周寸法を使って行われているからです。

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